企業の防災担当者の方のなかには、防災訓練のことで困っているかたもいらっしゃるのではないでしょうか。たとえば、上司から防災訓練をやれと言われたけれど、どんな訓練が効果的なのかわからない、といった場合は、まず何の目的で誰のため訓練を行うのか明確にしましょう。一概に訓練といっても、目的に応じて訓練のやり方が変わるので、訓練の目的をクリアにし、どういう手法を使うのかを選択する必要があります。

 

防災訓練の第一段階は実動訓練では、まず決められた通りに行動します。次の模擬訓練は応用力を身につける目的で行います。ほかに、教育訓練では能力を身につけることに主眼を置いています。第一段階では、安否確認訓練など何度も繰り返して身に付くまで反復練習します。一年に一度くらいだと、なかなか身に付かないので、より頻回に行うことが必要です。企業に勤めていると、結構頻繁に安否確認のメールが届いたりするのには、そういった意味合いも含まれているようです。

 

災害発生時の初動の訓練としては、災害対策本部立上げ訓練といった模擬訓練などがあります。災害対策本部の本来の目的は、さまざまな情報から必要な正しい情報だけを抜き出して、分析して指示を出すというミッションを遂行することです。

 

そのために事前にどういう情報が必要なのかを洗い出しておく必要があります。大規模災害になった場合、一番救援が必要なのは被害が大きすぎて被害情報を発信すらできないという事業所です。情報がたくさん届く事業所につい労力をかけてしまいがちですが、災害対策本部は、声なき声を拾えるような体制を作ることが不可欠なのです。

 

訓練を行うにあたり、対象者と目的が決まったら、次に指標と進め方を考えます。日本語では訓練と言えば実働訓練も模擬訓練も教育訓練も全部を指していますが、やり方はそれぞれが違います。その違いをみきわめて、それぞれに適した防災訓練が実施できるよう、各々が考えていくことが、BCP・BCMの意義を高め、ひいては成功に導いてくれるのではないでしょうか。