大規模な地震が起きると、周期の長いゆっくりとした揺れが生じます。これは「長周期地震動」と呼ばれるもので、超高層ビルや石油タンクのような大型建造物にとって、非常に大きな脅威です。

 

東日本大震災では、大阪府咲洲庁舎(地上256メートル55階建て)が、震源から約770キロ離れているにもかかわらず、約10分間の揺れが生じ、最上階付近(52階)の片振幅は最大1メートル以上(両振幅で約2.7メートル)にまで及んだとされています。

 

超高層ビル特有の揺れには、どのような対策を施すことができるのでしょうか。まずは、「長周期地震動」を知ることが重要です。

 

■超高層ビルと長周期地震動の関係性

 

建物にはそれぞれ固有の揺れやすい周期というものがあります。「固有周期」と呼ばれるもので、低い建物は短く、高い建物ほど長くなるのが特徴です。地震の揺れ(地震動)というものは、さまざまな周期の揺れが混在して成り立っています。

 

しかし、地震動の周期と建物の固有周期が一致すると「共振」という現象が起き、建物を揺らす力が非常に大きくなります。超高層ビルの固有周期は長いため、長周期地震動と一致しやすく、共振した場合には、うねるような大きな揺れが長時間続くことになるのです。

 

■長周期地震動の特性

 

・震源が浅く、マグニチュード7以上の巨大地震の場合に発生しやすい。

 

・減衰しにくいため、震源地から遠く離れたところまで揺れが到達する。

 

・地震の伝わる経路に柔らかい堆積層があると、長周期の揺れが増幅する。

 

※首都圏、近畿圏、中京圏などの大都市は、柔らかい堆積層で覆われた大規模な平野部(関東平野、大阪平野、濃尾平野)に立地しています。つまり、大きな長周期地震動が生成されやすい地盤の上に、固有周期の長い超高層ビルが、いくつも建ち並んでいるということです。

 

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