災害時に、企業の多くは停止に追い込まれないようBCPが策定していますが、なかでも病院はその特性上、一刻も早い復旧が急務であることから、病院のBCP策定は施設の問題にとどまらず地域全体の復興に重要な意味をもちます。しかし、全ての災害拠点病院で被災時のBCPマニュアルを策定しているとはいえないのが現状です。医療現場は通常業務に加えて、予測不能な被災患者への対応が発生するため、一般企業のBCPとは異なる策定プロセスを経る必要があることが一因として挙げられます。そこで、災害拠点病院のBCP策定のポイントを紹介します。

 

災害拠点病院とは、平時は入院や外来患者の診療などのサービスを提供する一方で、近隣で災害が発生した場合には災害医療を実施する病院を指します。災害拠点病院と認められるための条件は、具体的には24時間対応できることや200床以上の病床や災害派遣医療チーム(DMAT)、ヘリコプターの離発着場を有することなどが条件です。災害拠点病院の災害時における役割は非常に大きく、災害時に中心となり機能することが求められるため、以下のようなポイントを押さえなくてはなりません。

 

1.近隣医療機関と連携しての役割分担

ほかの医療機関と連携して軽傷者の搬送先を取り決めておくことで、災害拠点病院への搬送患者数を抑制することができます。

 

2.非常時の組織体制の計画

災害時に、その病院の災害対策本部の本部長が不在である場合の権限の委譲や、代行順位を決めておきます。また、大量に搬送される傷病者に対応するためには、極力多くの職員を集めるため安否確認システムの運用も必要です。

 

3.災害時の業務に優先順位をつける

災害時、求められる業務に優先順位を事前につけることが大切で、そのために病院全体での議論が必要とされます。

 

病院でのBCP策定は、被災患者という予期できない要素があることもあり、一般事業所以上に難しいといえますが、不測の事態に対し人命を預かる医療機関として、緊急時に職員が一丸となって対処する姿勢が必要であると同時に、現場のスタッフが医療機関としての重要性を認識し、BCP策定に関わることが求められています。