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「超高層ビルの地震対策。長周期地震動を知る!」後編

■超高層ビルの地震対策
- オフィス機器・家具類の固定
共振を起こした超高層ビルの中は、荒波にもまれた船のようなものです。キャスターつきのコピー機やワゴン、机やイス、大型キャビネットなど、あらゆるものが床を滑るように右往左往し、それは危険な凶器となります。
粘着式耐震マットや滑り止めマットを効果的に使用し、キャスターはロックするよう心がけ、重量物にはベルトタイプの固定具を使うなどして、転倒・落下・移動防止に努めましょう。
- オフィス機器・家具類の置き場所を工夫する
地震によって転倒・落下・移動等が生じても、危険な状況にならないような配置を考えましょう。
・窓際に重量物や動きやすいものなどを置かない。
(ガラスが破損し、重量物等が窓から外に落下して危険です)
・出入り口付近に物を置かない(避難経路をふさがないようにする)
- 災害時用の救急用具や備蓄品の確保
エレベーターが止まり、高層階は低層階からの救援・救護を受けるのに時間がかかることが予測されます。救急用具(消毒液、絆創膏、常備薬等)、食料、飲料水、携帯トイレ、懐中電灯、ラジオ、電池、毛布など、必要な物を備えておきましょう。
- 安全スペース(退避場所)の設定と周知
手すりのついた廊下やエレベーターホール、物の置かれていない会議室などが適しています。
※退避場所であることを示すステッカー等を掲示し、災害時用の厚底の靴や軍手などを一緒に置いておくとよいです。
- 緊急地震速報の活用
緊急地震速報が発表された場合は、揺れが来る前に安全スペースへ移動し、身の安全を図ります。
- 安否確認方法を決めておく
「企業と従業員の間における安否確認方法」と「従業員とその家族の間における安否確認方法」を、職場と家庭内とでそれぞれ話し合って決めておくこと。
- 安否確認がとれない場合の集合場所を決めておく
携帯電話・スマートフォンを紛失するなどして安否確認をとることができなくなる可能性もあります。安否確認がとれない場合の集合場所を「具体的に」決めておきましょう。
- 長周期地震動を理解する
共振を起こした超高層ビルがどのような揺れ方をするのか、視覚的・体感的に知っておくことで、地震発生時にパニックに陥らないようにします。
■地震がおきたらどうするか
- 緊急地震速報の発表から揺れがおさまるまでの行動
・緊急地震速報を受けた場合
→ 速やかに安全スペースへ移動し、身の安全を図る。
・緊急地震速報を受けずに、突然揺れが生じた場合
→ 窓や重量物のそばから離れ、机やテーブルの下に入って身を守る。
(机やテーブル、重量物等は、ずれ動かないように、あらかじめしっかり固定しておくこと)
大きな揺れによって体が外に放り出される危険があるため、窓には絶対に近づいてはいけません。
※長周期地震動の揺れは長く続くため、周囲の状況に応じて適切な行動をとること。
- 揺れがおさまったあとの確認事項と注意点
・火の元、ガス、電気、建物内の損壊状況等を確認する。
・同じ階にいる人の安否を確認し、可能な範囲で負傷者等の応急処置や救助等を行う。
・ラジオや館内アナウンス等で災害状況を確認し、正確な情報を共有する。
・ エレベーターは使用しない。
(使用中に地震が起きてしまった場合は、行先階のボタンをすべて押し、最初に停止した階で速やかに降り、エレベーターホールで身の安全を図ること)
・余震の警戒を怠らない。
(窓や重量物のそばには近寄らない。避難経路を優先的に片付け確保しておくこと)
・周囲の状況等に応じて、適切に判断・行動する。
※いずれも防災センターの指示があればそれに従うこと。
■まとめ
大規模な地震が発生し、大きな長周期地震動が超高層ビルまで到達して共振した場合には、今までに経験したことのないような脅威的な揺れに見舞われることになります。ですが、ただ闇雲に不安や恐怖を抱いていてはいけません。
長周期地震動の何が怖いのかをしっかりと学び、実際にそうした揺れが起きたとしても、パニックに陥らないようにすることが大切です。パニックは重大な人災につながります。一人ひとりが落ち着いて判断し、速やかに適切な行動がとれるよう、防災意識を高く持って地震対策に取り組んでいきましょう。
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